2008年02月24日

ウォーター・ビジネス

 「ウォータービジネス」(中村靖彦著・岩波新書)を読みました。

1)ナチュラル・ウォーター 2)ナチュラル・ミネラル・ウォーター 3)ミネラル・ウォーター 4)ボトルド・ウォーター の違い、ご存知ですか?

答えは、下記のサイトで書いてくださっているので、ご覧下さい。

ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン

 尚、ヨーロッパでは水源全体を保護するという発想があるため、ナチュラル・ミネラル・ウォーターはくみ上げてそのまま、無加熱・無殺菌で瓶詰めされるものを指します。

 ボトルド・ウォーターは世界中でブームになり、アメリカでは水道水をフィルターで漉して塩素を除去しミネラルを少し添加したものが安売りされているそうです。ボトルド・ウォーターの市場は成熟し安売り競争に入っていることから、それよりも儲かる水道事業に企業は感心を寄せているとのこと。

 アメリカでは大地主が企業に井戸を掘らせて水を売ったために、環境に影響が出ている所もあり、水は誰のものか?という議論が始まっているそうです。テキサスでは農業用に地下水をくみ上げすぎて地下の水位が下がっている。

 中国では農業地域である北部には水が乏しく、人口が集中している南部には豊富と偏っている。北部は作物が作れなくなって放棄された畑が砂漠化している。経済成長に伴ってますます水の需要が増えることがみこまれる。食糧を輸出できなくなれば、日本にも影響があります。

 日本は「間接水」の輸入大国。農産物や肉用の家畜の餌を育てるのには水を大量に遣います。それを間接水と呼びます。食糧の自給率が低く、輸入に頼るということは、大量の水を輸入しているということでもあるのです。

 筆者は遺伝子組み換え種子同様、企業が水を通して利潤を追求して貧しい国々に目を向けないことに疑問を持っていると、あとがきに書いていますが、この本の内容を読むかぎりでは、たとえば水道民営化については、プラスの面しか書いていません。ひょっとしてエコノミックヒットマンに脅されたのだろうか、などと勘ぐってしまいますが、単に紙面が足りなかったのか、社長にインタビューしているうちに乗せられてしまったのでしょうか。

 ヴェオリア・ウォーター・ジャパン(旧ヴィバンティ)社長ローラン氏によると、民営化のメリットは透明性と効率、安くできることだそうですが、誰にとってもなくてはならない水を利潤を追求する企業が独占状態になった場合、「良識」に期待するしかないというのは、危険すぎないでしょうか。実際、アジアや南米で水道料金が何倍にも跳ね上がった例があります。
ボリビアでベクテル社による膨大な料金値上げを阻止した民衆運動は、「ザ・コーポレーション」という映画のエピソードになっているようです。

映画「ザ・コーポレーション」

 また、「公共機関ととパートナーになることが必要、そうすれば、道路を掘るときの法規制などが乗り越えやすいし、どこかの国に参入する場合には、ほとんどがすべて設備が整備済みのことが多く、最初のコストは地元が負担してくれる」と言いますが、ヴァンダナ・シヴァさんの言うように、それは税金で作った国民の財産を私企業に安く払い下げることに他なりません。

 イギリスでは水道民営化は破綻して、一青年が起こしたNPOが引き継いでうまくいっていると前にテレビで見ました。
posted by ヘリオトロープ at 14:25| Comment(0) | TrackBack(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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