前回の市民憲法講座でも、60年安保から2006年新しい日米同盟に至るまで、対象範囲が極東からだんだんと広がってきたことを学びました。
今回は、「米軍再編」といっても、時代により、アメリカの世界戦略に伴い、内容が変ってきていることを中心に、お話を聞きました。
アメリカは冷戦が終わっても、第1線を外国に置く「前方展開戦略」を続けています。9・11以降、本土防衛のためにさらにそれを強化することになりました。冷戦時代は日本はアメリカにとって防波堤であればよかったのですが、次第にアジア・太平洋における協力、地球規模での協力を求めるようになりました。冷戦終結後、フィリピンは契約を延長せず、米軍基地は撤退しました。しかし、日本は安保条約を続けてしまいました。北の脅威はもうすぐ消えるので、かわりに中国の脅威が強調されるようになるだろう、一度そういうモードになったら後戻りは難しいだろうということです。
本来、安保は改定されるべきだったのだが、そうなるとすべて一度テーブルの上に出さなければならなくなり、アメリカにとっておいしすぎる条件を続けることがしにくくなるので、宣言とかガイドラインなどという形をとっています。
1995年 ナイ・リポート(イニシアティブ) ジョセフ・ナイが、アメリカから見た日米安保の将来像を描いたもの。中国、インドの購買力と日本との同盟が不可欠であることから、安保の再定義が必要とした。
1996年 橋本・クリントン大統領 共同声明 「アジア太平洋安全保障宣言」
ほとんどナイ・リポートで示された内容
「極東の安全」の「極東」とはどこか?― フィリピンより北、台湾、韓国を含む
1997年 ガイドライン改訂 (実質的安保改定)
すべてがここから始まりました。安保が国内政治にも波及。
1999年 前年のテポドン、能登沖不審船などに勢いを得て、周辺事態法が制定されました。これは日本を守ろうとするものでなく、自衛隊任務拡大、米軍に対する民間企業、地方自治体、国の協力が義務付けられました。
「周辺」にイラク、インド洋は含まれないとされたので、「テロ特措法」「イラク特措法」が作られました。
ガイドライン以降、有事関連の法律が3法、国民保護法など7法が作られ、外国船の臨検が可とされるようになりました。国民保護法では港湾、空港、高速道路などが軍隊に使われるだけでなく、立ち木の伐採や家屋の取り壊しなど、言論表現だけでなく財産権、地方自治までが侵害されます。(日本が攻められたならしかたない、と思われるかもしれませんが、ここまで見てきたとおり、アメリカの世界戦略により判断されるのであって、日本人を守るためではない、ということだと思います。迎撃ミサイルを発射するかどうかの判断もアメリカがするのですよね。)
2005年 在日米軍再編
自民党新憲法草案
・ 横須賀に原子力空母配備 原発と違い、住民の意見は受け付けず、環境基準も適用されません。首都の港に外国の軍艦がいるとは、植民地以外ありえないのでは?
海上自衛隊・自衛艦隊司令部と米第7艦隊が一体化
・ 座間基地に米陸軍第1軍団司令部が移駐。陸自は中央即応集団司令部新設。(PKOのためと政府は説明しているが、黒覆面のPKOなどいるのか?)
・ 横田基地に空自航空総隊司令部を移動、日米で協同東郷運用調整所を運用
(日本の法律の及ばないところに航空自衛隊が移る)
・ 沖縄名護市沖のさんご礁に普天間基地に代わる海兵隊航空基地を新設
・ 岩国基地に空母間転機。航空自衛隊飛行基地を米軍飛行訓練基地に協同使用。
(沖縄の全土化)
等々
北の脅威を煽られて、イラクで市民が死のうが、アメリカがアフガニスタンを爆撃しようが、日本の利益のためならしかたない、とするなら、醜い日本になってしまいますが、それでよいのでしょうか?
今はあいまいにされてきたとはいえ、まだ憲法が歯止めになっています。
安倍首相は有識者会議により秋までに行使できる集団的自衛権というのを決めようとしています。今回ブッシュ大統領へのおみやげにしたのでしょう。



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