2007年04月29日

美しい国とはやっぱり美国(アメリカ)?

市民憲法講座を聞いてきました。テーマは「アメリカの世界戦略と米軍再編」です。講師はジャーナリストで沖縄大学客員教授前田哲男さん。


前回の市民憲法講座でも、60年安保から2006年新しい日米同盟に至るまで、対象範囲が極東からだんだんと広がってきたことを学びました。

 今回は、「米軍再編」といっても、時代により、アメリカの世界戦略に伴い、内容が変ってきていることを中心に、お話を聞きました。

 アメリカは冷戦が終わっても、第1線を外国に置く「前方展開戦略」を続けています。9・11以降、本土防衛のためにさらにそれを強化することになりました。冷戦時代は日本はアメリカにとって防波堤であればよかったのですが、次第にアジア・太平洋における協力、地球規模での協力を求めるようになりました。冷戦終結後、フィリピンは契約を延長せず、米軍基地は撤退しました。しかし、日本は安保条約を続けてしまいました。北の脅威はもうすぐ消えるので、かわりに中国の脅威が強調されるようになるだろう、一度そういうモードになったら後戻りは難しいだろうということです。

 本来、安保は改定されるべきだったのだが、そうなるとすべて一度テーブルの上に出さなければならなくなり、アメリカにとっておいしすぎる条件を続けることがしにくくなるので、宣言とかガイドラインなどという形をとっています。

1995年 ナイ・リポート(イニシアティブ)  ジョセフ・ナイが、アメリカから見た日米安保の将来像を描いたもの。中国、インドの購買力と日本との同盟が不可欠であることから、安保の再定義が必要とした。

1996年 橋本・クリントン大統領 共同声明 「アジア太平洋安全保障宣言」
      ほとんどナイ・リポートで示された内容

  「極東の安全」の「極東」とはどこか?― フィリピンより北、台湾、韓国を含む

1997年 ガイドライン改訂 (実質的安保改定)
  すべてがここから始まりました。安保が国内政治にも波及。

1999年 前年のテポドン、能登沖不審船などに勢いを得て、周辺事態法が制定されました。これは日本を守ろうとするものでなく、自衛隊任務拡大、米軍に対する民間企業、地方自治体、国の協力が義務付けられました。

「周辺」にイラク、インド洋は含まれないとされたので、「テロ特措法」「イラク特措法」が作られました。

ガイドライン以降、有事関連の法律が3法、国民保護法など7法が作られ、外国船の臨検が可とされるようになりました。国民保護法では港湾、空港、高速道路などが軍隊に使われるだけでなく、立ち木の伐採や家屋の取り壊しなど、言論表現だけでなく財産権、地方自治までが侵害されます。(日本が攻められたならしかたない、と思われるかもしれませんが、ここまで見てきたとおり、アメリカの世界戦略により判断されるのであって、日本人を守るためではない、ということだと思います。迎撃ミサイルを発射するかどうかの判断もアメリカがするのですよね。)

2005年 在日米軍再編 
      自民党新憲法草案

・ 横須賀に原子力空母配備  原発と違い、住民の意見は受け付けず、環境基準も適用されません。首都の港に外国の軍艦がいるとは、植民地以外ありえないのでは?
海上自衛隊・自衛艦隊司令部と米第7艦隊が一体化

・ 座間基地に米陸軍第1軍団司令部が移駐。陸自は中央即応集団司令部新設。(PKOのためと政府は説明しているが、黒覆面のPKOなどいるのか?)

・ 横田基地に空自航空総隊司令部を移動、日米で協同東郷運用調整所を運用
(日本の法律の及ばないところに航空自衛隊が移る)

・ 沖縄名護市沖のさんご礁に普天間基地に代わる海兵隊航空基地を新設

・ 岩国基地に空母間転機。航空自衛隊飛行基地を米軍飛行訓練基地に協同使用。
(沖縄の全土化)

等々

北の脅威を煽られて、イラクで市民が死のうが、アメリカがアフガニスタンを爆撃しようが、日本の利益のためならしかたない、とするなら、醜い日本になってしまいますが、それでよいのでしょうか?
今はあいまいにされてきたとはいえ、まだ憲法が歯止めになっています。
安倍首相は有識者会議により秋までに行使できる集団的自衛権というのを決めようとしています。今回ブッシュ大統領へのおみやげにしたのでしょう。
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2007年04月26日

傍聴体験記

 昨日午後開かれた『日本国憲法に関する調査特別委員会』を傍聴してまいりました。前もって議員さんの事務所にFAXで申し込み、議員面会所で傍聴券を受け取ります。2時に始まるのに、券が届くのが2時過ぎです。待っている間、売店を見たら、歴代首相の似顔入りグッズとか、晋ちゃんまんじゅう、太郎ちゃん牛乳カステラなどというものが並んでいました。ちょっと買おうかと思ったのは、参議院と書いた使い捨てライター。タバコは吸いませんが、お墓参りのときお線香に火をつけるのに使おうかと。帰りに寄ろうと思って忘れました。

 傍聴券を受け取り、住所氏名年齢職業を書き込み、場所を移動。携帯電話、本、コート、バッグ、帽子は持ち込めないのでロッカーに入れます。エレベーターに乗ったり降りたり、階段を登ったり降りたり、かなり入り組んでいます。ふかふか絨毯の廊下を通るとやっと委員会の開かれている部屋に着きました。もう40分も過ぎていました。
昨日は100人も傍聴する人がいて、とても座りきれず、立ち見でした。傍聴人は発言はもちろん、拍手することもできませんが、国民は見ている、ということを知らせる意味があると思います。思わず拍手して注意される人もいました。内容も聞く価値がありました。

質疑はこちらでご覧になれます。 
 参議院インターネット審議中継
(今日も予定されています)

正確な発言はそちらを見ていただくとして、印象に残ったところを書きますね。

 民主党大久保勉議員の質問はそういうわけであまり聞けませんでしたが、与党側の答弁に「憲法は部分改正しかない。国民主権、基本的人権、平和主義」は変えられない、というのがありました。守っていただきたいですね。でも、自民党新憲法案はそうなっていません。

民主党小林正夫議員:「多数」とはどのくらいのことか?
船田:ブローカーを想定している
赤松:具体的に想定していない
小林:多数の判断が違うと混乱を招く

保岡興治議員:選挙違反はいろいろ事例を体験していますが…私はしてませんが(場内笑)あまり細かく規制して身動きがとれなくなるといけないので公職選挙法ほど規制していない

(私が思うに、規制がはっきりしていれば、それ以外のことは安心してできますが、どうにでも解釈できるとかえって萎縮効果をうまないでしょうか?)

(余談ですが保岡興治氏は法務大臣時代、秘書が統一協会合同結婚式に出席したことを追求されて謝罪したにもかかわらず、最近統一協会系大会に夫人が出席して記念品を贈呈されています)

ビラ、ティッシュ、団扇、無料コンサート、反戦映画、作家の作品、CD、DVDは買収にはならないとのことでした。

小林:広報が国民に届くのが10日前では不親切ではないか
船田:それ以前からテレビ、新聞などで報じている。広報は10日前がぎりぎり。

小林:世論動向をどう考えるのか?安倍首相が憲法を改正すると宣言したことにより、中立的な法案を作るという姿勢でなくなったのではないか?
保岡議員の安倍首相の影響を受けずに判断するとの答弁に、場内失笑。


共産党仁比聡平議員の質問から見えたのは、憲法論議はより自由でなくてはならないという理由で(運動を禁じられている)特定公務員から警察官、裁判官をはずしているのに、その他の公務員は中立的でなければならないという理由で運動を禁じられていること(勤務時間外に肩書きを言わずにならできるとのこと)。公務員は地位を利用してはいけないのに、大企業などは地位を利用して従業員に投票を勧めることができること、などです。
(仁比議員の指摘どおり、500万人もの主権者に制限をかけるのは大きな問題。公務員、義務教育は中立でなくては、というけれど、それなら私立ならいいはずでは?)

社民党近藤正道議員:広報の内容や回数を決める広報協議会は公平でなくてはならないのに、国会の中にあるのはおかしい。第3者機関にすべきではないか?
船田:第3者とはどういう人たちなのか?

近藤:広報協議会のメンバーが議席数に比例するのでは、改憲派が牛耳ることになる。議席数に比例すべきなのは発議までであり、その後は賛成反対双方平等にすべきではないか?
船田:あくまでも国会の中にあるのだから議員数に比例すべき。広報には改憲案、賛成、反対それぞれが1:1:1になるように載せるので平等。
近藤:改憲案も賛成と同じだから実質2:1ではないか?改憲案のところに書く「その他参考になるべき事項」とは何か?

協議会のメンバーを賛成派反対派同数に平等にしないと、実質的に中立的であるべき改憲案を提示する部分にも、参考になるべき事項として賛成に導くようなことが記載されてしまう危険があるということですね。

テレビ、新聞の広告も、無料枠は双方に同じに与えられるそうです。視聴率の高いチャンネル、低いチャンネルがあるではないか?という質問も出ました。また、有料広告は禁止すべきではないかとも。

私は途中で帰らなくてはいけなかったのですが、国民新党の長谷川憲正さんの質問の途中まで聞くことができました。

『仙台で開かれた公聴会の議事録がまだ手元に来ていないが、委員会の前に配られてから議論すべきではないか?急ぐことに意図があるのではないかと思いたくなる。公聴会の公述人が前日に知らせを受けたというが、せっかく意見を言ってもらうのだから、もっと準備期間を置くべき』という意見にはまったく同感です。

長谷川:議論が深まって修正するということはあるのか?
保岡:ベストな法案を出している。修正するかどうかは参議院で決めるべき。
長谷川:何のために議論しているのか。よいものを作りたいからではないのか?「質問・答え」で泡のように消えるのはどうか。質疑ではなくどういう案が作れるのか相談してはどうか?

長谷川さんの発言の中には「弱い国民を守るのが憲法理念」ということばがありました。

尚、仙台の公聴会では最低投票率を設けるべきという公述人が4人のうち2人、名古屋では3人いたそうです。

さらに公聴会を開くという委員長のことばがありました。
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2007年04月25日

今日の共感

 共感できるブログはいろいろありますが、今日ご紹介するのは

永田町徒然草 『怪しげな教育再生論議』

 著者の白川勝彦さんは加藤紘一氏の弟分と自認する元自民党議員で、2001年2月公明党との連立が固定化していくこと、また加藤の乱で党内リベラル派が殲滅されたことで自民党を見切りをつけて離党し、公明党の政権参加を批判する新党・自由と希望を設立し2001年7月の参議院選挙の比例区に出馬するも敗北。
現在いずれの党にも所属せず、自由な立場からこのWebサイトで政治的メッセージを発信している、というかたです。戦うリベラリストでありたいと書いていらっしゃいます。


 昨日触れた沖縄知事選の期日前投票ですが、こちらの記事をご覧ください。
情報流通促進計画
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2007年04月24日

今日のいろいろ

 私の住む区の区長は現職がそのまま続けることになりました。
広報の『「狭い」「ゴミゴミした」ではなく、「快適」な”全国一の高密度都市”を目指します』を読んだとき、全国一の高密度都市なんて嫌だと思うと同時に、要するに再開発ばかりするつもり?と思いました。案の定、共産党によれば再開発に莫大な予算をつぎこもうとしているそうです。転出したくなりました。
『安心・安全』の決まり文句を言っていますが、それを理由に監視社会にするのは願い下げにしたいです。

 一方で、東京の区議会議員選挙では、

無投票を含めあわせて8875人が当選
自民党  873人
民主党  491人
公明党 1152人
共産党  907人
社民党  157人
国民新党   3人
諸派が  112人
無所属 5180人

市町村合併や定数削減の影響で定員全体が2000人余り減り、 各党が軒並み当選者を減らすなかで、民主党は、合併した自由党も含めた前回の人数より102人 増やしました。

 無所属の中には自民推薦、あるいは、自民、公明、民主(ときに社民も)推薦などという人もいるので、この数字だけではなんともいえませんが、純正?自民議員より、公明、共産の方が多いのですね。自民を名乗るより無所属の方が当選しやすいのでしょうか?

 区議会とはだいぶ事情が違うでしょうけれど、国会でも公明の協力がなかったら、とっくに政権が交代していたのではないでしょうか?小選挙区で公明が立候補していたら票が割れていたところがあったでしょうし。沖縄県知事選挙の4ヶ月前までに住民票の大移動があったこと、期日前投票の大幅増なども注目に値するでしょう。
もし、いつも選挙が近くなると公明党にお願いしますと言ってくる知り合いがいたら、自民に協力する公明党はもう「平和と福祉」の党ではないことを教えてあげましょう。


 こんなニュースもありました。

新幹線「栗東新駅」、自民も凍結検討

やはり、民意を汲まないなら、政権を変えてしまうぞ、と意思表示をすることは必要ですね。


 不愉快なニュースです。

<米国産牛肉>米、施設査察受け入れ 月齢条件緩和検討へ

 査察するならいいではないか、と思われるかたもいらっしゃるでしょうが、前とやりかたが同じとすると、抜き打ちではなく、事前に通告してから査察ということになるので、あまり意味がありません。ネット上のどこかで松岡農水大臣は、不備だらけの飼育・検査体制のアメリカ牛にお墨付きを与えたご褒美に今の地位が与えられているので、スキャンダル続出でもやめないでいられるのだと目にしましたが…

もう牛肉は食べても大丈夫か?


 5千円のミネラルウォーターにもあきれましたが、どうして領収書添付が自由な政治活動をはばむのでしょうね。検索して出会ったブログです。
いまい@栃木's エコログ
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2007年04月23日

最近出会ったブログ

最近日参するブログです。

言ノ葉工房

鋭いこと、つらい現実を書いている日でも、心のぬくもりを感じさせる、不思議な魅力があります。


もうひとつ、
灰色のベンチから

一見ニヒルな雰囲気ですが、希望を捨てていないから、暗闇の向こうに光が見えるような気分になります。
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2007年04月21日

ミステリー

 昨日のNEWS23で、長崎市長が狙撃されたとき、周囲に数台の不審な車が目撃されており、犯人はその中の1台に向かって逃走しようとした、と伝えていました。単独の恨みという説が覆される証言です。また、テレビ朝日に送りつけられた「抗議文」の宛名と中身の筆跡がどうみてもまったく違います。

晴天とら日和

 長崎市長が狙撃されたわずか十数分後、官邸は総理談話を発表しています。早すぎて「あまりに不自然」とする記事が政府の提灯持ち産経系の夕刊フジに載ったのには、どういう意味があるのか?と深読み?する人もいます。「策士、策におぼれる」の意味は?
阿修羅掲示板

 城尾哲弥容疑者と30年の付き合いのある、松尾千秋弁護士は、「新しい歴史教科書」を推進する団体の会員であり、「日本会議」の 長崎支部副会長です。
シバレイのblog

日本会議についてはこちらが詳しいです。
とむ丸の夢
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今週末の予定は?

 今週末の予定はもう立てました?東京周辺にお住まいのかた、こんな催しを覗いてみてはいかがでしょう?会場は代々木公園その他です。

アースデイ東京2007 公式サイト

 マイ箸だけでなく、マイディッシュウェアなどというものまであるのですね。以前スターバックスでは店舗により自分のカップを持っていくと割引になる制度がありましたが、今もこういうシステムあるのかしら?飲み終わった後洗うのはどうするのだろう、とつい利用することなく今に至ってしまいました。

アースデイの内容については「イベント」のところをクリックしてください。

 どれにも興味がありますが、今回私が一番注目するのは、「エコ金融」です。
銀行にお金を預けるメリットってあまりありませんが、家に置いて泥棒に盗られるといけないからと、普通銀行や郵便局に預けますよね。そのお金がどういう企業に融資されるのか、何に使われるのか?外資系銀行も一時ブームになっていましたが、ブッシュに政治献金しているなんて聞くと考えてしまいます。公害を出して平気でいる企業にも貸して欲しくないですね。

 ドイツにはエコバンクというものがあるとだいぶ前に聞いたことがありましたが、日本でもこういう運動があるのですね。

エコ貯金ナビ



もうひとつのイベントです。
うるとびーずさんのところからコピー&ペースト


第4回定例総会
記念講演・討論会
―軍隊を捨てた国コスタリカに学び平和をつくる会―

■ と き:
2007年4月22日(日)午後2:30〜4:45

■ ところ:
文京区男女平等センター・研修室A
東京都文京区本郷4-8-3
電話03-3814-6159
     
【交通】営団丸ノ内線「本郷三丁目」駅徒歩6分
都営大江戸線「本郷三丁目」駅徒歩5分

■ 参加費: 500円

*非会員の方の参加を歓迎致します。
ただし、入場は午後2:15分以降です。

*会員の方へ;第4回総会は講演の前、
午後1:30〜2:15です。

●主 催:
軍隊を捨てた国コスタリカに学び平和をつくる会
(略称:コスタリカに学ぶ会)

題目:ラテンアメリカの今日
講師:伊高浩昭(いだかひろあき)さん
(ジャーナリスト)

ラテンアメリカが熱い! 
去る12月3日にはベネズエラで、
チャベス大統領が三選されました。
チャベス以降、南米では軸が急速に左にウイングし、
アメリカ合衆国の支配から自立する
地域統合の動きが強まっています。
ボリビア、エクアドルなどで、
ベネズエラに呼応する潮流が形成され、
ラテンアメリカ全体が、脱アメリカ、
地域統合への道を歩み出しています。
わがコスタリカの周辺の、目の離せない状況を、
ラテンアメリカ事情に関してはピカ一の
伊高さんに解いていただきましょう! 
終了後には参加者との質疑応答をおこないます。
ふるってご参加下さい。

講師経歴:
ジャーナリスト。元共同通信記者。
1943年東京生まれ。
67年から、ラテンアメリカを中心にイベリア半島、
沖縄、南部アフリカなど、世界65カ国・地域を取材。
立教大学ラ米研究所講師。
著書に「Cuba砂糖キビのカーテン」(リブロポート)、
「イベリアの道」(マルジュ社)、
「ボスニアからスペインへ」(論創社)など多数。
訳書に「ベネズエラ革命―ウーゴ・チャベス大統領の戦い」
「チャベス」(作品社)など。

<関連サイト>

★★杉浦ひとみの瞳


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2007年04月18日

30分で読める…大学生のためのマンガ「蟹工船」

 誰でも題名と作者名は知っている小林多喜二の「蟹工船」ですが、読んだことがありませんでした。レアリズムはあまり趣味ではなかったもので… KUMAさんのところでマンガがあると少し前に知り、読んでみました。

30分で読める… 大学生のための マンガ 「蟹工船」 
原作小林多喜二 作画 藤生ゴオ
企画・白樺文学館多喜二ライブラリー 発売・東銀座出版社 定価600円

井上ひさしさんの「本書を推薦します」という帯がかかっています。

 文学史でこういう作品があると習ったときは、劣悪な労働条件を告発した作品だと思っていたのですが、読んでみると(マンガですが)、もっと奥が深いのですね。なにしろ原作を読んでいないので、どの程度忠実かわかりませんが、これだけを読んでもよくまとまっています。
原作と違うのは、多喜二の死から始まるところと、母のことばで結ばれているところだと思います。この母については、三浦綾子さんの「母」を読もうと思って買ってあるのですが、いわゆる「つん読」になっていて申し訳ないことです。

 この作品は、単に昔は労働条件がひどかったとかいう話ではなく、領土や領海を拡張しようとする帝国主義という時代背景、むき出しの資本主義の本質を描いています。実際にあった事件や調査をもとに「集団を書くことを主眼とした」そうです。

 蟹工船の場合は工場とも航船とも違うので、どちらの法を適用されることもなく、働く人たちの命は船に付属する川崎船より軽く扱われ虐待されたのでした。時化でも川崎船を出させられ、戻ってこなかったものもいました。監督は成績ばかりを気にして他の船から沈没しそうだとSOSを受けても無視して救助もせず、危険な領海侵犯までします。船員と漁夫は最初互いに競わされていましたが、手を組んで立ち上がったとき、力を持つようになります。そこに護衛の軍艦がやってきて、皆一瞬喜びますが、漁夫や船員に味方するためでなく、ストを指導した人たちを拘束するためでした。

 権力をかさにきた監督も、あっけなくクビになります。権力におもねたり、自分が権力を持っているような錯覚をしても、結局はその程度の存在なのですね。

 だいぶとっつきやすくなったところで、ぜひ原作を読んでみたいと思います。いつになるかわかりませんが…

 小林多喜二はご存知のように警察の拷問により殺されましたが、警察は死因は心臓マヒだとしました。つまり、その時代でも、警察が拷問することは許されなかったし、国民には知られたくなかったのです。戦前だって今とすごく違う時代というほど違っていなかったのではないでしょうか。長崎市長だって、この時期にそんなつまらない動機で殺されるなんてとても信じきれません。
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2007年04月17日

また気になる法案が

 もういい加減にのんびりした話題にしたいところなのですが… またしても気になる法律です。それは、生協法改定案。

 生協は営利目的でない組合員の自主的な組織です。地産地消により海外から輸入するより石油の消費を抑えると同時に食糧自給率を高めよう、消費の仕方で社会を変えていこう、という方針で、営利を追求せず、生産者と組合員、組合員どうし連帯しようとする組織が、アメリカや与党や大企業など新自由主義の人たちには目の上のたんこぶだということは、容易に察しがつきます。

 詳しくは日刊ベリタのこちらの記事をお読みください。

生協法改定案の危険な中身(上) 強まる生協への国家介入

 この法案には、現行にはない、「行政庁は、(中略)特に重要なものに違反したとき、または公益を害する行為をしたときは、当該組合の業務の全部若しくは一部の停止若しくは役員の解任を命じ(略)」が加わっています。

 この『公益を害する』は自民党憲法案の『公益及び公の秩序』の先取りではないでしょうか?なにかあら捜しをして解散させる、あるいはそれを恐れて自由な活動がしにくいようにするのではないでしょうか?

「公共の福祉」と「公益及び公の秩序」は一見そんなに変らないように見えるかもしれませんが、実は大違いなのです。お玉さんのブログ4月1、15日の記事をぜひぜひお読みください。

あわせて以前の記事「共済も狙われている」もご覧ください。

 ところで、17日は改憲手続法に反対する国会前集会があります。
18時30分より衆議院第2議員会館前です。
ラベル:生協
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2007年04月15日

マスコミにつっこみ

 マスコミが機能しない理由。昨日に引き続き、ヤメ記者弁護士さんのブログです。

情報流通促進計画

 こんなブログも発見しました。タミフルのところ、笑えます。

お笑いみのもんた劇場:タミフル『世界売り上げの8割が日本」の裏事情
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2007年04月14日

日本橋丸善に行きました

 改築後はじめて日本橋丸善に行きました。長いこと慣れ親しんだ建物が消え、馴染めない建物になっていると寂しいと思っていたのですが、外見は少し前のと似ています。中は垢抜けた感じになりましたが、居心地悪いほど気取った感じではなく、また銀座日本橋方面に出かけたときに立ち寄る楽しみが復活しました。

 地下の文具売り場の万年筆売り場などは前からの『丸善』という雰囲気がほとんどそのまま残っています。200円代から10万円代(もっと上もあるかもしれません)のさまざまな万年筆があり、初めて見るような種類のインクが並んでいて、ろくに使わないくせに買いたくなってしまいます。花の名のついたインクや偉人の名のインク。
便箋もきれいなのがたくさんあって、目移りしながらもまた買ってしまいました。もうずっと前に叔母に、まだきれいな便箋使ってる?と聞かれたことがあるのですが…  買うのは、なにか品物を送る時に添える一筆箋が多いです。

 洋書売り場にはちょっと懐かしい絵本や、猫好きにはぜったい立ち寄って見ていただきたいかわいくない猫の写真などがありました。Bad Catなどというタイトルです。猫好きは、かわいらしい猫はもちろん好きですが、悪党づらや無愛想なのも好きなんですよね。誰にもかわいがられず厳しい生活をしている野良猫は顔つきを見ればわかります。不良少年と目つきが似ているから。

 前から一度はいってみようと思っていた、高島屋横の喫茶店にはいってみました。ちょっとお値段高めですが、おいしいコーヒーでした。牛乳や生クリームにもこだわっているようです。植物性コーヒークリームではないところがよいです。トランス脂肪酸や添加物が気になるだけでなく、香料がコーヒーの香りの邪魔をしますから。


 さて、私は広告料貰っていませんが、広告のお話(丸善とも喫茶店とも無関係)。カラクリを知っていると、マスコミに騙されにくくなれるかもしれません。大手広告代理店がメディアの財布を握ってしまうことにより、マスコミが権力を見張る役目を果たしきれなくなっています。与党国民投票法案の問題点についても、衆議院で可決されるまでマスコミにほとんど取り上げられなかったのも、このカラクリが一役買っているのかもしれません。


情報流通促進計画

同上・クロスオーナーシップの問題点

 タウンミーティングは主に電通が異様に高い金額で請け負っています。小泉時代、高すぎる随意契約を指摘され、入札制でだいぶ税金の節約になりました。ところが、その後、入札金額の倍もの請求を出して言い値で支払われた例もあります。東京オリンピック誘致にも関わってきそうです。このような癒着が世論の捏造に関わっています。

 
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2007年04月13日

壊憲手続法

天木直人さんのブログは、毎日天木さんが力を入れて書いていらっしゃることがわかります。
実に不公平な国民投票法案が委員会で強行採決され、今日にも衆議院を通過してしまいそうです。それについて天木さんは
「国民投票法案の強行採決を前にして」という記事を昨日12日に書いていらして、国民はそこまで愚かでもお人好しでもないだろうと書かれていますが、私はかなり不安です。

 都知事選でも、お人好しではない私はこれ以上暴言(失言ではなく、そういう心根だから口に出る)を吐き、君が代を歌う口に大きさを測らせるような(直接そう命令したわけでないとしても)時代錯誤で憲法違反の人に既得権を持たせ続けようなんて思わなかったけれど、あと4年も続けさせようなんていうお人好しがたくさんいました。あるいは、内容を見ずになんとなく頼もしそう、と支持してしまう人が多かったのだと思います。オリンピック誘致だって、本当に誘致できると思っているのかどうか知りませんが、誘致活動だけでも利権につながるし、結局業者と癒着して工事や事業をするという既成の与党政治じゃないですか?石原氏の『安心・安全』は警察や軍隊を使った『安心・安全』であり、それはテロとの戦いを口実に民主主義が制限されて監視社会になる、という脅威を作り出します。

 というわけで、改憲派が広告会社を使ってプロパガンダを見える形、見えない形で大々的に始める前に身近なところからでも、ひとりが10人、100人に改憲とはどういうことなのか伝えなくてはいけないと思います。

 村野瀬玲奈さんの記事もお読みになってみてください。
村野瀬玲奈の秘書課広報室

  お玉さんのブログで知りました。海上自衛隊のこんな広告していること。「海上自衛隊のCM、やばい」
こんなノリで入隊する人もいないだろうけど。とりあえず入れて鍛えなおそうというのでしょうか?
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2007年04月11日

せこい国民投票法案

 改憲派有利にしようとしているのが見え見えの国民投票法案ですが、投票のしかたも無効票が増えそうな…反対票を1票でも減らそうとしているようでせこいですね。

平和への結集第2ブログ

 憲法学者ら114人が慎重審議求める声明
毎日新聞
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2007年04月10日

今日のいろいろ

 私の独断と偏見では、本人と家族以外石原氏に投票する人がいるなんて、信じられないのですが… 選んだポイントが人柄、というのも、疑問符が頭の中を駆け巡ります。

 公示されてから石原スキャンダルはほとんど報道されなくなり、浅野叩きがはじまったように思います。
それが功を奏したのだとすると、やはり与党の国民投票法案のように、公務員や教職にある人も含めた自由な議論を封じて、財力のある改憲派ばかりがコマーシャルを流すことは、結果に大きな影響を与えると思わざるを得ません。コマーシャルとはっきりわからなくても、キャスターや御用評論家を通じて宣伝したり、電通など政府と癒着している広告代理店がに広告を出したり引っ込めたりことでマスコミをコントロールすることがあると思いますが、せめて有料の広告を規制するなり、賛成反対両方に無料で広告を流させるなり、できるかぎり平等になるようにすべきです。

 民主党が与党案よりだいぶましな国民投票法案を作りましたが、マスコミはほとんど無視しているようです。それを出すと与党案の欠点が今まで知らずにいた人にもわかってしまうからでしょうか?

情報流通促進計画


 話し変って、ドイツではイースター(8日の日曜日)に一万人が各地で平和を求めドイツ軍の海外派兵に反対するデモを行ったそうです。

南ドイツ新聞
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2007年04月07日

都知事候補の首都直下型地震対策

 専門家から成る『首都直下地震を考える有志の会』が、首都直下地震に関して公開質問状を提出しました。回答は以下に公開されていますので、ぜひご参照ください。
 首都直下地震への対応に関する公開質問状
posted by ヘリオトロープ at 16:11| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

明日は都知事選

 明日は東京では都知事選の投票日です。前に誰に投票するかはほぼ決まっていると書きましたが、実はまだちょっと迷っています。

そんな人には山口二郎さんの緊急提言

都知事選挙は、投票直前の世論調査を見て、投票先を決めよう
他の記事もお勧めなので、左上の目次をクリックしてご覧になってくださいね。

 ドクター中松がサンデープロジェクトの候補者の討論に出演させてくれなかったとテレビ朝日を訴えるそうですが、当然だと思います。誰が泡沫で誰が本命か、テレビ局に決める権利はないし、泡沫と呼ばれる人だってマスコミに登場すれば知名度があがって結果も変ってくるかもしれません。たいして変らないとしても、それは有権者が判断すればいいこと。

 明日の選挙では、ディーゼル車規制してもプラスチックゴミの分別やめて燃やそうとしたり(ダイオキシンが心配だし、焼却炉がいたむので作り直さなくてはならなくなるかも。業者と癒着?)、土壌が汚染されているとわかっているところに生鮮食品の市場を移転させようとしたり、都政を私物化したり、勤務時間中に特攻隊を美化する映画(内容は見ていませんがたぶん)を制作したり、君が代日の丸を強制したり、オリンピック誘致できるわけないのに電通などと癒着して便宜を図ったり図られたりし、また接待で料亭やレストランでグルメ三昧しそうだし、埋め立ての利権も狙っている人だけは落選させたいものです。
posted by ヘリオトロープ at 12:31| Comment(0) | TrackBack(5) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月06日

自衛権について

 「憲法講座」まだ続きがあります。自衛権についてです。

 自衛権とは、第1次世界大戦後に出現した国家の権利です。第1次大戦の多大な被害から、国家の武力行使は違法視されるようになりましたが、自国への攻撃と侵略があった場合、自国を防衛するため緊急の必要があって、やむを得ない場合に武力を行使する権利です。注意すべき点は、これは戦争をする権利でなく、戦争をしても例外的に罰せられないということです。

 第2次世界大戦後成立した「国際連合憲章」第51条は
「国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合で、『安全保障理事国が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまえの間』、各加盟国は自衛権(個別的または集団的自衛の固有の権利)を行使することができる。この自衛権の行使に当たって加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない」となっています。

 この『集団的自衛権』はアメリカが提唱して取り入れられました。直接自国が攻撃されたのでなく、相互援助のための地域取極や地域的機関の国が、常任理事国あるいはその支持を受ける国に攻撃された場合、安全保障理事会の許可を受けることは事実上不可能なため(拒否権があるので)、援助義務を発動できない、という理由です。

 集団的自衛権の行使された例
・ソ連のハンガリー侵略
・ソ連・ポーランド・東ドイツ・ハンガリー・ブルガリアの5カ国軍によるチェコスロバキア侵略
・ソ連のアフガニスタン侵略
・アメリカのベトナム戦争
・アメリカとカリブ6カ国軍によるグレナダ侵略

 日本国憲法は武装権と交戦権を放棄しています。抵抗権はありますが、自衛権は持っていません(この辺はよくわからないので質問すればよかったのですが、そのときは考えがまとまらなかったので、課題にします)
政府の解釈(たとえば1972年)では集団的自衛権を保有しているが憲法はその行使を許していない、としてきました。
 
 安倍さんは日米の双務性のために改訂が必要と主張していますが、双務性を高めても、日米は対等になることがありません。アメリカのいうままにアメリカと共に戦う国になり、かえってテロに狙われるようになります。
「美しい国へ」の中で、集団的自衛権を国家の持つ自然権と書いているそうですが、「自然権」とは、基本的人権を指すのが常識であり、国家のつくる法律以前により高次の法(自然法)によって承認される権利のことなので、国家が自然権を持つなどと欧米で言っても理解されないでしょう。


 天木直人さんのブログは毎日珠玉の記事が書かれています。この前安全保障条約を少し読んでみて感じたことが、ここに書いてありました。
天木直人のブログ

 でも、こうしてみてくると、集団的自衛権など行使できるようにしてしまったら、米国から独立しようとしたら侵攻されるってことですか?
posted by ヘリオトロープ at 14:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

すれっからしになろう

 マスコミがいっせいに何か騒ぎ立てているときは、たいていもっと大事なことが隠されています。今は西武の裏金でもちきりだけれど、国民投票法案のような大切なことや、教育3法(学校教育法改正案・地方教育行政法改正案・教職員免許法・教育公務員特例法改正案)を一気呵成に成立させるために、特別委員会を設置することを議院運営委員会で提案をしたこと(保坂展人さんのブログによる)などはあまり報道されません。ほかにもなにかあるかも。

 素直に乗せられ煽られるのはもうやめて、すれっからしになって疑いの目で見ることにしましょう。

 みのもんたの不二家廃業発言が問題になっていますが、みのもんた氏は、誰かにふきこまれて意図的あるいは無意識にそのような発言をしたのでしょうか?
ゴールドマン・サックスその他の誰かが空売り(株を借りて売り、3ヵ月後に買い戻す)で大もうけしたようだ、と小野寺光一氏は指摘しています。もしかしてグルだったりして???
ずけずけ言っているようでも実は権力にすりよっているようなみのもんた氏が信用できなくてあらぬ疑いをかけたくなります。
posted by ヘリオトロープ at 01:21| Comment(0) | TrackBack(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月04日

今日のいろいろ

 気になる国民投票法案ですが、公聴会の公述人公募に124名の応募があったそうです。、両案とも反対が87パーセント、何らかの賛成(民主党案、与党案修正後を含む)を表明したのは4パーセント、5名です。

辻元清美ブログ4月3日



 1日に原発1年分の放射能を放出すると言われる青森県六ヶ所村再処理工場のアクティブ試験が3月31日に開始されてしまいました。

辻元清美さんの質問主意書

なんとかしたいと思われるかたはグリーンピースのサイトからサイバーアクションに参加できます。
青森県でのウラン試験を止めるために

 
 YouTubeにあるこのBBCの番組で当時の様子を語っているのは昨日書いた肥田医師ではないでしょうか?
広島原爆投下

 広島・長崎は空襲を受けていなかったから原爆のターゲットに選ばれたようです。効果を研究するにはそのほうがわかりやすいからです。

エノラ・ゲイのパイロットの証言
posted by ヘリオトロープ at 13:16| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月03日

「内部被曝の脅威」

 「六ヶ所村ラプソディー」を見に行ったときに映画館で買った「内部被爆の脅威―原爆から劣化ウランまで」(ちくま新書)を読みました。「六ヶ所村ラプソディー」を監督した鎌仲ひとみさんと、自ら被爆者でいらっしゃる肥田舜太郎医師の共著です。

第1章 世界に拡がる被爆の脅威 鎌仲ひとみ
第2章 爆心地からもう一度考える 肥田舜太郎
第3章 内部被曝のメカニズム  肥田舜太郎
第4章 被ばくは私たちに何をもたらすか 鎌中ひとみ
第5章 被ばく体験を受け継ぐ 対談

 鎌仲さんは六ヶ所村ラプソディーの前に「ヒバクシャ―世界の終わりに」を制作しています。ヒバクシャというと、広島・長崎のことが頭に浮かびますが、現在チェルノブイリのような事故、核実験、劣化ウラン弾などにより被曝した人たちが世界中にいるのですね。長いこと被爆者を治療してきた肥田医師は、イラクで子どもたちに起きている症状は被曝だと言います。

 肥田さんは若き医師として往診していた先で原爆にあいました。そのときの様子の描写は体験した人のことば故の迫力があります。その後治療にあたったけれども、そのうちに直接ピカにあっていないのに急変して亡くなる人が出てきました。占領軍は原爆被害についていっさい語ることを禁じ、医師はカルテに書かないように言われたそうです。一方でアメリカは被爆者を集めて血液検査などしましたが、治療はいっさいせず、亡くなると解剖して臓器は本国に送っていました。遺族には最初藁をつめた遺体が返されましたが、そのうち親指しか帰ってこなかったという人もいたそうです。

 長いこと、放射線を体内に取り込んだ「内部被ばく」は過小評価されてきました。メカニズムの違う外部被ばくと内部被ばくが同等に扱われてきました。また、WHOよりIATAの力が強いことや、外界の利害関係により異なるデータが採用されたり報告書が数値を低く改訂させられたりしました。国際放射線防護委員会(ICRP)と欧州放射線リスク委員会(ECRR)の出す数字もまったく違っています。ECRRの基準なら、原発の労働者は100倍の人員が必要になるのだそうです。内部被曝の被害者には「科学的根拠がない」と補償もされてきませんでした。

 体内にとりこまれた放射性物質はどこかに付着してずっと放射線を出し続けます。ヨウ素は甲状腺に、ストロンチウムは骨に、と決まった臓器に集中して蓄積します。生殖や造血組織、胎児は細胞分裂が速いので被曝した細胞の傷の修復が追いつかないのではないかともいわれています。「微量な放射線なら大丈夫」というのは神話なのだそうです。
自然界にも放射能はある、といいますが、自然界の放射能には人間は2万年の進化の歴史の中で適応してきましたが、人工的な放射性物質は未知のものであり、自然界のミネラルや金属に似ているので体内にとりこんでしまうということです。生体内では0.25〜709電子ボルトという小さな単位のエネルギーのやりとりがされていますが、ウラン235のアルファ線分子1個の粒子は420万電子ボルトのエネルギーをもって代謝に割り込んできます。周囲の細胞を傷つけると同時に水分子からフリーラジカルを生じさせるので、傷つけられたDNAを修復しようとしても妨害され、放射線を浴び続けることで突然変異は癌へと進展します。
遺伝子が傷つくということは何代も後の世代にも影響があるということでもあります。

 原子炉から100マイル以内で乳癌死者数が増加しているという統計があります(J.M.グールドによる)。肥田医師が日本ではどうだろうかと調べようとしたところ、全国が100マイル以内にすっぽりはいってしまうので比較できませんでした。

 アメリカのマンハッタン計画ではプルトニウムを経口や注射で与える実験が行われていたので、最初から内部被曝を想定していたと思われます。

 1989年アメリカはハンフォードに関する機密文書を公開しました。それにより9基の原子炉から無意識的ないしは意図的に日々の操業の中で放射性物質を放出していたことが明らかになりました。それだけでなく1954年には気候観測気球でヨウ素がばらまかれていたのです。1950年代、風下の砂漠は政府により開拓され、第2次世界大戦と朝鮮戦争の兵士に格安ローンで分譲されていました。甲状腺障害、癌、流産、障害児が多発しました。現在この地区ではあらゆる作物が栽培され、もっぱら輸出されていますが、買うのはファーストフード業者と日本の商社ということです。

 内部被曝の脅威についてわかってきた今、これからどういうエネルギーを使い、どういう暮らしをすればいいのか、と鎌仲さんは問いかけます。

 第5条の対談では、今まで人は功利主義の考え方により、原発による放射能汚染には目をつぶってきたが、核エネルギーを使用すれば全人類が影響を逃れられない。核兵器被害は一部の地域だけではなく、無限の広がりを持ち、子々孫々まで及ぶ。空中に舞い上がった放射性物質は半永久的に消滅せず、いずれ全世界をまわる。核兵器は使用しなくても作ろうとしたときから被曝が始まる(ウラン採掘など)。「放射能が被ばく者をつくる」という単純なことを知ることが一番難しい。まだまだ実感としてわかっていない人が多い。などが語られています。

 被爆者である肥田医師の、自分のためになるわけではないが、語っていかなくては、という意思に感じ入りました。まだまだ原爆の悲惨についても、知らされていない人たちが多いと思います。スミソニアン博物館での展示が止められたように。やはり日本人は率先して世界に核廃絶を呼びかけていくべきだと思いました。

 ぜひじっくり読んでいただきますようお勧めしたい本です。
posted by ヘリオトロープ at 23:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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